ベトナム渡航で使い分けているクレジットカード戦略
はじめに
妻の実家がベトナムにあるため、最低でも年 1 回、多いときは年に 2〜3 回はベトナムへ渡航しています。航空券・現地での生活費・お土産まで含めると、渡航コストは決して馬鹿になりません。
「家族との時間にコストはつきもの」と割り切るのは簡単ですが、手元のクレジットカードを役割ごとに使い分ければ、渡航コストの一部はマイルやラウンジという形で回収できます。今回は、私が実際に運用しているカード布陣を、それぞれの選定理由と一緒に紹介します。
メインのマイル獲得カードは「JAL カード JCB プラチナ」
マイルを貯める母艦は JAL カード JCB プラチナ です。
最初は ベトナム航空のマイレージプログラム(Lotusmiles) も候補にありました。直行便を多用するなら効率的だったかもしれません。しかし日本発で考えると、国内線・欧米路線・各種ショッピング決済まで含めて使い回せる 日系航空会社のマイル に軍配が上がります。
ANA ではなく JAL を選んだ理由は、技術的な比較というより 家族目線 の話です。
- 妻の体感として「JAL のほうが機内が静かで子連れに優しかった」
- 妻の父親に不幸があった際の急な渡航で乗ったのも JAL だった
このとき私は知識不足で 片道券だけ購入してしまい、空港のチェックインカウンターで搭乗を渋られたのを今でも反省しています。海外渡航では入国審査・航空会社のチェックイン双方で 復路チケットの提示を求められるケースが多いので、原則として往復で押さえるのが安心です。
現地通貨の引き出しは「JAL Pay(Mastercard)」
ベトナム国内の ATM でドンを引き出すために JAL Pay を使っています。
JAL Pay は プリペイド式の Mastercard ブランドカードで、事前に日本円をチャージしてから使うスタイルです。海外で現金を引き出す手段としてプリペイドを選ぶ理由は、ひとえに 仕組みが防御的だから。
- 万が一スキミングや不正利用に遭っても、チャージ残高以上は引き落とされない
- 銀行口座に直結するデビットカードだと、最悪の場合 口座残高いっぱいまで抜かれるリスクがある
- デビットの不正利用補償は、クレジットカードに比べて 条件が厳しい・上限が低いことが多い
「失っても困らない金額だけ載せる」運用ができるのが、海外で現金を扱う際の安心感につながっています。
妻のカードは「家族カード」で発行
妻はベトナム国籍で、まだ永住権を取得していません。本人名義のクレジットカードは審査で弾かれることが多い のが現実です。
一方で、家族カードであれば外国人配偶者でも比較的すんなり発行されます。本会員の信用枠に紐づく形で追加カードとして出るためで、永住権取得前の配偶者にカードを持たせたい家庭には現実的な選択肢です。
空港ラウンジ問題:プライオリティ・パスの落とし穴
アラフォーになって痛感するのが、空港の待ち時間の重さです。チェックイン → 出国手続き → セキュリティ → 搭乗、と段階を踏むだけで疲れてくる。
JAL カード JCB プラチナには プライオリティ・パス(プレステージ会員)が無料で付帯し、軽食やドリンクが取れる専用ラウンジを利用できます。
特に ホーチミン・タンソンニャット国際空港(Sân bay quốc tế Tân Sơn Nhất)の Rose Lounge は良かった。設備も食事も満足度が高く、フライト前に体力を削らずに済みました。出国審査で並ぶ時間そのものは長いので、ラウンジで取り戻すくらいの感覚です。
ただし 落とし穴があります。プライオリティ・パスは原則として、本会員(Primary)が一緒にいないと家族カード会員は単独利用できないのです。本会員同伴であれば「同伴者料金」で入れますが、別便で渡航する場合は使えません。
妻だけ帰省するときのために「MUFG カード・プラチナ・アメックス」
妻が一人で実家へ帰省するときも快適に過ごしてもらいたい。そこで 三菱 UFJ カード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス を発行しました。
このカードは 家族カードにもプライオリティ・パスが付帯します。本会員と別行動でも妻が単独でラウンジを使えるので、長時間トランジットや遅延時の体力温存に効きます。実際、本人もとても快適だったとのことでした。
「家族カードに PP が付くか」はカード会社・カードランクによって異なります。夫婦で別便利用がある家庭は、契約前にここを必ず確認しておくことをおすすめします。
VISA も持つ理由:JCB / AMEX が通らない場面の備え
JCB と AMEX の組み合わせだけでは、どうしても決済できない店舗が出てきます。最近は減ってきましたが、特に小規模店舗や一部 EC、海外の決済端末では VISA / Mastercard でないと通らないことがあります。
現金主義に切り替えると 家計簿が破綻するので、VISA ブランドのカードも 1 枚は持っておくのが現実解です。
現状は 三井住友カード ゴールド(NL) を使っています。前年に 100 万円以上の決済実績があるので 年会費は永年無料で運用できています。
ただし マイルを JAL に集約したいので、現在は JAL ブランドの VISA への切り替えを検討中です。
切替候補:JAL CLUB-A VISA カード
JAL CLUB-A カード は海外キャッシング枠も設定できるので、いざというときの保険にもなります。
「なぜ年会費が安い普通カードにしないのか?」とよく聞かれますが、答えは マイルで年会費を払えるからです。CLUB-A はマイルでの年会費充当に対応しており、実質年会費ゼロに近い運用ができます。
加えて、JAL Life Status ポイント(LSP) を貯めれば マイル有効期限の延長などの恩恵もあるので、長期目線では普通カードよりむしろ得になり得ます。
なお Mastercard ブランドは JAL Pay でカバーできているので、これ以上ブランドを増やす予定はありません。
クレジットカード付帯の旅行保険は「補助」と割り切る
クレジットカードに付帯する海外旅行保険は、私はあまり信用していません。理由は次の通りです。
- 補償額が少ない(特に治療費・救援者費用)
- 健康体でないと適用外な条項がある(持病・通院中の場合に弾かれる)
- 利用付帯(旅行代金を当該カードで決済しないと対象外)の条件が地味に複雑
なので、海外渡航のたびに 別途海外旅行保険を契約するのを基本にしています。
持病があるなら「SBI 損保の海外旅行保険」
もう一点注意。通常の海外旅行保険は、風邪等で投薬を受けていると保険金が下りないことがあります。精神疾患で通院中の場合はほぼ NG です。
そんな方におすすめなのが SBI 損保の海外旅行保険 です。プランによって、旅行中に発生した持病の急激な悪化による治療費もカバーされるオプション(「海外サポート充実タイプ」など)が用意されており、現在治療中・通院中であっても加入可能です。補償額は 300 万円程度のミニマムから治療費無制限まで複数のラインがあり、ベトナム渡航レベルであれば下位プランでも実用上は十分に効きます(補償条件・対象範囲の最新詳細は公式サイトで必ず確認してください)。
まとめ:私のカード布陣
| 役割 | カード | ブランド | 主なメリット |
|---|---|---|---|
| メインのマイル獲得 | JAL カード JCB プラチナ | JCB | プライオリティ・パス(本会員のみ) |
| 現地キャッシング | JAL Pay | Mastercard | プリペイドで安全 |
| 妻の単独帰省ラウンジ | MUFG カード・プラチナ・アメックス | AMEX | 家族カードにも PP 付帯 |
| JCB / AMEX 不可の場面の備え | SMBC VISA ゴールド NL → JAL CLUB-A VISA へ移行検討 | VISA | マイル集約・年会費をマイルで充当 |
「最強の 1 枚」を探すよりも、渡航シーンごとに最適なカードを使い分けるほうが結局快適でお得だ、というのがここ数年の結論です。
それでは、よい海外ライフを。
ヘッダー画像: Photo by rupixen on Unsplash
参考リンク: